このHPを御覧になっている方の中にも、シングルx3個の、ノーマルなSTスタイルのギターを愛用されている方は多くいらっしゃることと思います。
 このタイプのP.U.の弱点と言えば、やはりハムノイズの多さ。特に、大型アンプのボリュームを上げて使用する場合や、レコーディングの時などは特に気になってきます。
 それを解消するために各社から様々な製品がでています。代表的なものとしてはスタックやツインブレードスタイルにして、ハムバッキング構造を持たせたもの、P.U.の出力を小さくして、アクティブ回路のプリアンプで補正するもの、構造そのものが特殊なもの等々。
 確かに、それらの製品は確かにシングルコイルのトーンニュアンスを持ち、ノイズを減らす事に成功しています。しかし、もともとの音色と比べてどうでしょう?P.U.交換を終えて「アレ?」と思った方、いらっしゃるのでは?「こんなにパワー無くなっちゃうの?」「音が太くなり過ぎ。」「高域のキラキラした感じが消えてしまった。」「ハーフトーンのニュアンスが変わってしまった。」など。あと、よくありがちなのは、3個のP.U.を全て交換しないと出力のバランスがとれないこと。中には電装パーツをほとんど交換しなくてはいけないものものもあり、出費もバカにならなかったりします。それでいて、上記の様な音質への不満がでてしまっては、ちょっと辛いですよね。又、Vintage Guitarを実際に使用していらっしゃる、と言う、羨ましい方にとっては、ノイズは気になりつつもなるべく不要な改造を避けたいのが本音でしょう。特に、オリジナルP.U.が付いている場合など、P.U.も含めてのVintageなので、できればそのままのスペックで使用したいですよね?
 もちろん、交換後の音が気に入ればOKなんですが。でも、P.U.の音は、取り付けてみないと分からないですよね?ましてやVintage Guitarともなれば、P.U.の交換なんて・・・結局、P.U.は、自分の楽器に取り付けて、自分のセッティングで鳴らして、初めて「相性」が分かるものだと思うんです。もちろん、ご自身の体験で、ある程度予測の付く方もいらっしゃるのですが、その域に達するには、それなりの投資があったのでは、と察せられます。
 結局、「まあ、音は変わるけれど、ノイズが少ないし。。」とか、「ノイズは出るけれどトーンが好みだから」のように、どこかで妥協せざるを得ないのが現状だとおもいます。

「Erase Box」は、オリジナルのP.U.を使用し、かつハムノイズを減少させることを目標に開発されました。ほとんどのSTタイプのギターに木部加工無しで取り付けられ(当然ネジ穴の追加も必要ありません!)、基本接続であるなら、元々の配線を一部変更するだけで、至って簡単に接続できます。イメージからするとアクティブ回路っぽい印象を受けますが、電池類は一切必要ありません。表側から見る分には見た目も変わりません。1Vol,2Toneの機能もそのまま活かすことが可能です。ミドルかフロント、どちらかのトーンポットをSW付きポットに変更すると、全ての機能はそのままで、Erase BoxのON/OFFをコントロールする事もできます。その他にも、色々な配線方法を考えてみました。(→配線例へ
 また、先ほど、「ノイズ対策を施したP.U.は、3個とも全てを同タイプに交換しないと出力バランスが取りにくい」と書きましたが、「Erase Box」は、1つの製品で3個のP.U.全てに効果を与える事ができる(残念ながら、どの様な場合でも、と言う訳にはいきません。これについては後述いたします。)ので、P.U.交換に比べて安上がりで、かつ、元のP.U.を活用するので低リスクだと言えます。
「Erase Box」を接続する際、注意すべき点としては、「3つのP.U.全てが同磁極、時計回り巻き方向であること」と、「巻き終わりをホットにする」ことです。まあ、勿体ぶって書きましたが、殆どのSTタイプはこれが標準の仕様なので、あまり気にする事もないのかもしれません。(「そんな事言ったって、磁極やら巻き方向やら、どうやって調べるの?」と思った方はここをクリックして、別図を参照しながら以下をお読み下さい。)
 ただ、最近良くある「ミドルP.U.のみが逆磁極・逆時計回り巻き方向」になっているものは注意が必要です。この仕様は、ハーフトーン時にハムキャンセル効果を狙ったものなので、ハーフトーンのポジションでノイズがはっきりと減少します。お手持ちのギターがこうなっている場合、残念ながら「Erase Box」は「リアとフロント」のみにしか効果を与える事ができません。(又は「ミドルのみ」に効果を与えることもできますが、実用的ではないですよね?)そのまま3つとも接続すると、ミドルP.U.がONになったっときに却ってノイズが増えてしまいます。なので、この場合は「リアとフロント」のみを「Erase Box」に接続するのが実用的でおすすめです。
 もう一つ、注意が必要なのが「3つのP.U.全てが同磁極、でも逆時計回り巻き方向である」場合です。(なんともややこしくてすみません。でも大事なことなんです。。。)普通はあまり見ない仕様ですが、この場合は、巻き終わりをホットに接続して、配線図中の「Erase Box」の赤線と黒線を逆にして結線して下さい。つまり、「P.U.からの巻き始め線」を「Erase Box」の赤線に、「Erase Box」の黒線を配線図に従ってアース等に接続する事になります
 色々と書いて来ましたが、STタイプの外来ノイズに悩まされている方に、是非一度お試し頂きたい製品です。